覚えていますか?
もくもくと山を登る君を見つけ出したのは7年前。
僕が前に出たり横切ったりしても、君は見向きもしなかった。
ただ、ひたすら怒りの鉾先を、登頂だけに注ぎ込んで登っていた。
その姿が、あまりに痛々しくて声を掛けずにはいられなかったんだ。
登り終えた後、どんな達成感でしたか?
それは君を変える出来事になったのですか?
まるで、今の君は、あの頃の君と変わらない。
何に怒りをぶつけてる?何が理由で独りで山を登る?
結局、何も変わってはいなかったのかもしれない。
あの頃に帰っただけだと、そう思えば、随分と僕の気持ちも楽になる。
独りきりで登った所で、何も変わりはしないのだ。
だって、仲間という温かさを知った君の、その後の行為は、
更に ココロが渇いていく だ け だ か ら。